【お仕事インタビュー】vol.38 水力発電所技術者

【お仕事インタビュー水力発電所技術者

きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。

今回は、水力発電所の維持・管理業務に携わる技術者です。私たちの暮らしに欠かせない電気を安定的に供給するため奮闘する、中部電力の技術者に話を聞きました。


吉澤沙良里(よしざわ・さらり)さん
22歳/3年目
中部電力
所属:再生可能エネルギーカンパニー 愛知水力センター 技術課

この仕事を選んだ理由は?

【お仕事インタビュー】vol.38 水力発電所技術者
高校受験の時、父のすすめもあって、普通科の高校ではなく、5年制の工業高専に進むことにしました。専門的なことを学べて、卒業後には就職と進学、どちらの選択肢もあるという点にひかれたんです。

高専から大学に編入するか、就職するかはものすごく悩みましたね。まだ「働く」ということが、具体的にイメージできなかったので、まずは身近な大人の人たちに、仕事についての話を聞いて回りました。すると、「人の役に立つ仕事をしたい」という自分の軸が分かり、たくさんの人たちに必要とされる電気を安定的に、安価に供給する電力会社に入社し、自分が暮らしてきた中部地方に貢献したいと思いました。

もう1つの軸として、「一生働き続けられること」があったので、働きやすさや福利厚生の制度も決め手でした。実際に働いてみて、仕事以外の自分の時間をしっかり確保しながら、充実した社会人生活を送ることが出来ています。

仕事内容は?

越戸発電所(愛知県豊田市)での巡視点検の様子。油の量が正常かどうかを確認している↑越戸発電所(愛知県豊田市)での巡視点検の様子。油の量が正常かどうかを確認している

愛知県豊田市の矢作川沿いにある「愛知水力センター」に所属し、水力発電所とダムの維持管理と改良・修繕工事に携わっています。水力発電は、水が高いところから低いところへ流れ落ちる力を利用して電気をつくる、地球にやさしい発電方法です。その発電のための設備に異常がないかを歩いて確認する「巡視点検」が私の主な業務です。

愛知水力センターでは、愛知、岐阜、長野、静岡県にある31か所の水力発電所を管理しており、日々、発電の現場に出向き、設備や機器に異常がないかを見て回っています。直すべきところが見つかったら修繕工事の計画を立て、工事を発注し、その工事の作業を管理するのも大切な仕事です。

ある日のスケジュール

8時30分
出社、1日のスケジュールを確認
現場(発電所)に向かうための準備

9時
現場へ出発

10時30分
現場に到着、巡視点検を開始
12時
昼食

13時
巡視点検を再開

15時
現場を出発

16時半
帰社、報告資料の作成
必要な場合は修繕工事の計画・発注

17時10分
退社

水力発電所は24時間稼働しているので、部署によっては交替勤務制のところもありますが、私の所属する技術課は基本的にカレンダー通りの勤務です。トラブルが発生したり、工事が立て込んだりすると、帰りが遅くなることもあります。

この仕事の大変なところは?

学生時代からずっとスポーツをしていて、体を動かすことが好きでした。そのため、1日中パソコンの前で座っているより、外に出て、動き回る今の仕事は自分に合っていると感じます。発電所やダムは山の中にあることが多く、自然の中で、先輩や協力会社の方たちにいろいろなことを教わりながら作業するのはとても楽しいですね。

巡視点検では、ダムの取水口や水路、発電所の水車や発電機など、異常がないかを確認しなければならない項目がたくさんあります。計測器のデータを確認するだけでなく、実際に歩きながら、「水が漏れていないか」「さびの進行具合はどうか」「焦げたにおいがしないか」「変な音が鳴っていないか」など、目や鼻、耳などの五感を使って確認することも多いんですよ。

この仕事の大変なところは?

土砂崩れで車が通れなかったり、木が倒れていたりすると、現場に到着するのも一苦労。しかし、どんなに歩きづらい山道でも、ベテランの先輩たちは安全に注意し、私のことも気にかけながら、スイスイと登っていきます。私も「見習わないと」と思い、必死で付いていっています。

また、水力発電に使う水は川から取り入れているため、水に混ざって流れてきた土砂が水路の底に沈んでしてしまいます。それを先輩や協力会社の方たちと一緒にスコップでかき出すという体力勝負の仕事もあって、翌日はいつも全身が筋肉痛です(笑)。

今後の目標は?

直近の目標としては、保守、補修、管理という、土木技術者としての一連の業務をより高いレベルで出来るようになることです。
直近の目標としては、保守、補修、管理という、土木技術者としての一連の業務をより高いレベルで出来るようになることです。そして将来的には、土木だけでなく、電気に関する知識や技術を身に付け、「水力発電のことは私に聞いてください」と胸を張って言えるような人になりたいですね。

電力関係の仕事に就きたい人へメッセージ

地震など、自然災害の多い日本で、災害が起こって真っ暗闇の中、パッと明かりがつくと、安心しますよね。みなさまのもとに安定して電気を届けるという仕事は、大きな使命感とやりがいを感じることが出来ます。

私のいる愛知水力センターは、直接お客さまと会う機会は少ないですが、たくさんの人の生活を支えているという誇りを感じられる職場です。そんな仕事に少しでも興味をもってもらえたら、うれしいですね。

きずなネットは、将来の夢や目標に向かって頑張る人を応援しています。この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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今回は、水力発電所の維持・管理業務に携わる技術者です。私たちの暮らしに欠かせない電気を安定的に供給するため奮闘する、中部電力の技術者に話を聞きました。

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吉澤沙良里(よしざわ・さらり)さん
22歳/3年目
中部電力
所属:再生可能エネルギーカンパニー 愛知水力センター 技術課
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<h2>この仕事を選んだ理由は?</h2>
高校受験の時、父のすすめもあって、普通科の高校ではなく、5年制の工業高専に進むことにしました。専門的なことを学べて、卒業後には就職と進学、どちらの選択肢もあるという点にひかれたんです。

高専から大学に編入するか、就職するかはものすごく悩みましたね。まだ「働く」ということが、具体的にイメージできなかったので、まずは身近な大人の人たちに、仕事についての話を聞いて回りました。すると、「人の役に立つ仕事をしたい」という自分の軸が分かり、たくさんの人たちに必要とされる電気を安定的に、安価に供給する電力会社に入社し、自分が暮らしてきた中部地方に貢献したいと思いました。

もう1つの軸として、「一生働き続けられること」があったので、働きやすさや福利厚生の制度も決め手でした。実際に働いてみて、仕事以外の自分の時間をしっかり確保しながら、充実した社会人生活を送ることが出来ています。

<h2>仕事内容は?</h2>
越戸発電所(愛知県豊田市)での巡視点検の様子。油の量が正常かどうかを確認している ↑越戸発電所(愛知県豊田市)での巡視点検の様子。油の量が正常かどうかを確認している

愛知県豊田市の矢作川沿いにある「愛知水力センター」に所属し、水力発電所とダムの維持管理と改良・修繕工事に携わっています。水力発電は、水が高いところから低いところへ流れ落ちる力を利用して電気をつくる、地球にやさしい発電方法です。その発電のための設備に異常がないかを歩いて確認する「巡視点検」が私の主な業務です。

愛知水力センターでは、愛知、岐阜、長野、静岡県にある31か所の水力発電所を管理しており、日々、発電の現場に出向き、設備や機器に異常がないかを見て回っています。直すべきところが見つかったら修繕工事の計画を立て、工事を発注し、その工事の作業を管理するのも大切な仕事です。

<ある日のスケジュール>
8時30分
出社、1日のスケジュールを確認
現場(発電所)に向かうための準備
9時
現場へ出発
10時30分
現場に到着、巡視点検を開始
12時
昼食
13時
巡視点検を再開
15時
現場を出発
16時半
帰社、報告資料の作成
必要な場合は修繕工事の計画・発注
17時10分
退社

水力発電所は24時間稼働しているので、部署によっては交替勤務制のところもありますが、私の所属する技術課は基本的にカレンダー通りの勤務です。トラブルが発生したり、工事が立て込んだりすると、帰りが遅くなることもあります。

<h2>この仕事の大変なところは?</h2>
学生時代からずっとスポーツをしていて、体を動かすことが好きでした。そのため、1日中パソコンの前で座っているより、外に出て、動き回る今の仕事は自分に合っていると感じます。発電所やダムは山の中にあることが多く、自然の中で、先輩や協力会社の方たちにいろいろなことを教わりながら作業するのはとても楽しいですね。

巡視点検では、ダムの取水口や水路、発電所の水車や発電機など、異常がないかを確認しなければならない項目がたくさんあります。計測器のデータを確認するだけでなく、実際に歩きながら、「水が漏れていないか」「さびの進行具合はどうか」「焦げたにおいがしないか」「変な音が鳴っていないか」など、目や鼻、耳などの五感を使って確認することも多いんですよ。

<h2>この仕事の大変なところは?</h2>
土砂崩れで車が通れなかったり、木が倒れていたりすると、現場に到着するのも一苦労。しかし、どんなに歩きづらい山道でも、ベテランの先輩たちは安全に注意し、私のことも気にかけながら、スイスイと登っていきます。私も「見習わないと」と思い、必死で付いていっています。

また、水力発電に使う水は川から取り入れているため、水に混ざって流れてきた土砂が水路の底に沈んでしてしまいます。それを先輩や協力会社の方たちと一緒にスコップでかき出すという体力勝負の仕事もあって、翌日はいつも全身が筋肉痛です(笑)。

<h2>今後の目標は?</h2>
直近の目標としては、保守、補修、管理という、土木技術者としての一連の業務をより高いレベルで出来るようになることです直近の目標としては、保守、補修、管理という、土木技術者としての一連の業務をより高いレベルで出来るようになることです。そして将来的には、土木だけでなく、電気に関する知識や技術を身に付け、「水力発電のことは私に聞いてください」と胸を張って言えるような人になりたいですね。

<h2>電力関係の仕事に就きたい人へメッセージ</h2>
地震など、自然災害の多い日本で、災害が起こって真っ暗闇の中、パッと明かりがつくと、安心しますよね。みなさまのもとに安定して電気を届けるという仕事は、大きな使命感とやりがいを感じることが出来ます。

私のいる愛知水力センターは、直接お客さまと会う機会は少ないですが、たくさんの人の生活を支えているという誇りを感じられる職場です。そんな仕事に少しでも興味をもってもらえたら、うれしいですね。

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取材:きずなネット編集部

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